株式会社 空改

手付金の種類・手付金の限度額・手付解除時のポイント

2017年09月27日

収益物件購入の際の売買契約時に支払う「手付金」について間違った認識で覚えていると、
いざという時大変危険です。

手付金は3種類有り限度額も有ります。

又、手付放棄し契約解除する際のルールも有ります。
間違った認識のままだと思っている通りに進まなくなるリスクが有りますので、
「手付金」に対してきちんとした認識を持っておく事は大切です。


手付金の種類


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売買契約を解除する事が出来る手付の事を解約手付と言います。
手付金の扱いは買主が解除した場合と売主が解除した場合とで扱いが異なります。
買主が購入を辞退する為に解除する場合、
既に支払った手付金を放棄する事で売買契約を解除する事が出来ます。
売主が売却をとりやめたい場合、
手付金として受領した金額の倍額を買主に返還する事で売買契約を解除する事が出来ます。

違約手付

売主、買主のいずれかに売買にあたり違法行為(代金を支払わない等)があった場合、
そのペナルティとして受領出来る性質を持つ手付金の事を言います。
又、違約手付とは別に損害賠償請求する事も可能です。

証約手当

契約が締結した事を証明する目的で交付する手付金の事を言います。
収益物件の取引の場合、手付金とは通常は解約手付を指しています。
その為、他の手付金ではない事は一応確認しておくと良いでしょう。


手付金の限度額

宅建業者が売主となる売買においては宅建業法上買主から受領出来る手付金額に、
売買価格の20%の制限が掛かります。
その為、1億円の一棟マンションなら2,000万円までしか手付金を受け取る事が出来ません。
なお、この際の手付金は「解約手付」としなければなりません。

これに対し個人が売主となっている売買契約の場合、この手付金に関する制限は有りません。
収益物件の売買契約において1億円程度の収益物件を購入する際に求められる手付金額は、
概ね500〜1,000万円程度とするのが主流です。

実務上は個別の取引に応じ手付金額を細かく設定するという事はあまりしません。
それは解約手付の場合、手付金を支払う買主も受け取る売主も、
手付金額が大きくなり過ぎると万一の場合のリスクも大きくなるからです。
但しあまりにも手付金が少ないと買主、売主双方から簡単に手付解除しやすくなるので、
通常の範囲内で出来るだけ多くという感じでしょう。

買主として確実に物件を手に入れる為にも手付金は出来るだけ多く入れておいた方が良いです。
何故なら売主が手付解除する場合、現契約より好条件の買主が現れている事が多いからです。
1億円で契約した後に1億1,000万円で買いたいと言うオファーが有ったら、
もし手付金が200万円なら手付解除し1億1,000万円の買主と契約したくなるのが人情です。
その他に手付金授受を行わず解約手付を認めないケースも有ります。
これはやや高度な使い方ですが手付解除を認めず、
契約不履行時に違約金が掛かる様にする場合も有ります。
これは、契約を確実に履行させたい場合に使います。


手付解除時の注意点

仮に良い収益物件を見つけ他の人に取られてはならないと思い即決し売買契約を締結し、
手付金100万円を売主に交付したとします。
その後、冷静になったらやはり利回りが思ったより低そうだという事に気付き、
売買契約を解除したいとします。

この場合、既に支払った100万円を放棄すれば売買契約を無条件に解除する事がで出来ます。
すなわち売主に対しキャンセルに至った理由を細かく説明して納得してもらう必要もなく、
手付金の100万円さえ放棄すればそれで事がおさまるのが手付解除の特徴です。

反対に100万円の手付金を交付した後に、売主の気が変わり売りたくないと言ってきた場合、
100万円の倍額の200万円を売主から返してもらう事になります。
ドタキャンされ頭にくるかもしれませんが100万円が倍の200万円になって戻ってこれば、
余程の事がない限り買主も文句は言わないでしょう。

ただし、
手付解除は「当事者の一方が契約の履行に着手するまで」、
が期限となりそれ以降は、手付放棄や手付倍返しによる無条件解除は出来なくなります。

「契約の履行の着手」とは「物件の引渡し」「所有権移転登記」

等がこれに当たるとされています。

仮に売主がこれらに着手した後に手付金を放棄するといっても手付解除は認められない事になります。
実務上、手付解除が行われる場合に「履行の着手」の要件を巡りトラブルとなる事が多々有ります。
つまりどこからが「履行の着手」と言えるのかが当事者同士で意見が食い違い、
最終的に裁判所の判断を仰ぐというケースが散見されます。

目安としては今から解除しても既に引返せない状況に向かっている場合等は「履行の着手」となり、
手付解除が成立しない可能性が高いと考えます。

例えば、
・買主が購入する前提で売主がリフォームした
・買主が購入する前提で売主が取壊し工事に着手した

等の場合、原則的に手付解除は成立しない事になります。

まとめ

・収益物件の取引時の手付金は、一般的に解約手付を指す。

・手付解除時に問題になるのは契約履行のタイミング。
 トラブル防止には契約時に決済前リフォームや解体工事等を盛込み過ぎない方が安全と言えます。

・手付解除時の「契約の履行」は当事者間でも意見が分かれるものなので、
 手付金を放棄すればいつでも無条件に契約解除できるという認識は危険です。



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